「海外で英語できなくてもなんとかなるよ!」
という発言を目にすることがあります。
この言葉を見て
「よっしゃ英語話せないけど海外移住しよう!」
と瞬時に航空券を取り、会社を辞め、家を引き払い、バックパック一つで海外に出た人がいるとしたら
そのすさまじい行動力と素直さで生きていける・・・ような気はしますが
結論から言うと
英語(または現地語)ができないと、海外では損をします。
「なんとかなったよ!」という海外生活を経験した人は
「(超大変でたくさん苦労や失敗も何回も何回もしたけど結果的には)なんとかなったよ!(※訳:生きてるよ!)」という「なんとかなった」という場合が多いので
その覚悟なしで海外に出ると、海外飛び出た → 予想以上の苦労 → いや、なんとかならないんじゃ・・・
という気持ちになってしまいますよね。
じゃぁ、英語できない場合どのぐらい「なんとかなる」の?という方へ
「英語できなくてもなんとかなる!」の「なんとか」がどの程度のことかを、ここで解説しようと思います。
※あくまで個人の主観です。
英語できなくてもなんとかなること
海外旅行編
・ホテルを取る(オンラインで可能。日本語予約サイトなどを使用)
・航空券を買う(オンラインや日本の旅行会社で可能)
・ホテルにチェックイン(パスポート提出、サインするなどやることは決まっている)
・レストランで食事をする(メニュー指さしで注文可能)
・観光地でお土産を買う(こちらも指さしで欲しいものを買える)
・道を聞く(地図を見せる、行先のメモなどを見せてルートを書いてもらう)
短期の海外旅行の場合、ハプニングで警察に行く・・・など特殊イベントを除き
事前に調査や計画をしていれば、一般的な海外旅行は現地の言葉ができなくてもなんとかなります。
旅行会社のツアーパッケージに参加するのもアリですね。
海外生活編
・航空券を買う(オンラインや旅行会社で可能)
・住居を探す(国によってmixbなど日本人向けの情報ウェブサイトを使う)
・仕事を探す(同上のウェブサイトなどを使い、日本人経営の会社で働く)
・友達を作る(現地在住の日本人や、日本語を話せる現地人と知り合う)
・日用品を買う
・恋人を作る(現地在住の日本人、日本語を話せる現地人、または会話が不要な関係でもいい人と知り合う)
このように、英語ができなくても生活に必要最低限のことは整います。
ただ、現地に日本人のコミュニティが無かったり、日本語で探せる情報がない地域などに行くと難しいことは多くなります。
英語できないとなんともならないこと
海外旅行編
・レストランで、間違ったオーダーが来たときに説明する
・会計が間違っていたときに訂正する
・モノや財布をなくしたときに状況やなくしたものの詳細などを伝える
・トラブルがあった時に通報したり助けを求める
・電車や飛行機の乗換えや遅延情報を知る
事の詳細を説明することは、どうしても指さしやジェスチャーだけで正確に伝えることは難しいですよね。
その場ですぐに言葉で状況を伝えることができないと、被害をこうむったり、損をしてしまいます。
現地の言葉ができないと、主にトラブルが起きた時にすぐ対処することができません。
海外生活編
・銀行口座を開設する(直接銀行で本人が申請する場合がほとんどなので、英語できない人1人だと難しい)
・現地企業の求人に応募する
・英語で面接を受ける
・現地人と働く
・現地人と語り合う
・現地人を論破する
・現地でビザなどを申請する
・病院へ行く
・現地の最新情報をつかむ
・現地の本やテレビ、エンターテイメントを楽しむ
もちろん、上記のことも現地の日本人エージェントや通訳などを通すと可能になる部分もありますが
その分費用も時間もかかります。
隣の家に住む現地の人に聞けば一瞬で分かることを、いちいち日本語ができる人を呼びつける・・・ということになるのも面倒ですよね。
これは日本語ができる現地人と結婚した場合であっても、相手に聞くまで自分では何も対処できないので
日々の生活の中で自分で解決できる範囲が極端に狭まることに繋がります。
英語できなくてもなんとかなる!の裏にひそむ闇
海外での日本人搾取
残念ながら、「英語できない人」をカモにした日本人搾取が海外では非常に多いです。
日本人搾取、とは海外に長年在住している日本人が、新しく移住してきた場合などで現地の状況をまだあまり把握していない日本人にでたらめなことを教えたり、だましたりする行為のことを指します。
ターゲットは、海外が初めてで語学もできない右も左もわからない人。
現地の言葉や生活がわからなくて不安・・・
という人の心理をズバズバついて、彼らは優しい顔をしながらニコニコと近寄ってきます。
雇用先編
まずは、雇用に関する日本人搾取について。
日本人向けの求人などでよく見かける
日本語で全部教えるから安心!海外に来たばかりの人大歓迎!
という謳い文句に隠されているのは
・日本のルールしか知らない人大募集!(こっちの最低賃金とか、知らないよね!)
・日本社会と同じ働き方ができる人大募集!(サービス残業、有給取れないのも当たり前だよね!)
・ステレオタイプな日本人らしい人大募集!(上司に意見しないよね、従うよね!)
ということです。
現地の労働ルールや最低賃金など、英語や現地の言葉で調べるとすぐにわかることですが
英語ができないとそのような情報も知らないまま、「日本人だから安心」と思っていると
損をしていることにすら気づかないことも。
※もちろん、日本人経営者すべてが悪ではなく現地の法律に従って通常に営業している会社もあります。
住居編
住居に関する日本人搾取の話もよく聞きます。
これも同じく、現地の情報を知らない日本人をターゲットにしているケース。
特に住居に関しては、海外生活の第一歩として必要不可欠な問題。
ちょっとおかしいな?と思うことがあっても「家を決めなきゃ」という焦りが先行してしまうことも。
郷に入っては郷に従え、ということで現地での家探しのやり方に習うのが一番なのですが、日本人に限らず、単純に移民など外国人をターゲットにしている場合もあるので一概にも言えず。
とにかく「おかしいな?」と少しでも思う部分があれば、知り合いに聞くなり弁護士に相談するなりしましょう。
ちなみに私はこんな感じでベルリンで部屋を見つけました↓
まとめ:「なんとかなる」じゃなくて「なんとかする」んです
現地でいきいきと生活している日本人に「私も最初、現地の言葉できなかったけどなんとかなったよ!」と言われると
へー、言葉が全くできなくても、楽しい生活がおくれるんだぁ。
と見えがちですが
現地で楽しそうに生活をしている人が「なんとかなった」のは
現地の言葉ができなくてもなんとか生活をしていく術を、失敗や恥や屈辱を経験しながら徐々になんとかしていったから、なんです。
なんか海外でオシャレな生活して、楽しそうだなぁって見える人も
いっぱい悩んで、泣いたりして、心が何回もポキポキ折れても立ち上がって努力して、やっと今ここに笑って立っている。
という人も多いんじゃないかなぁと思います。
海外に住んでいると、予期せぬできごとやルールにびっくりすることは茶飯事です。
日本の家族や友達も距離的に遠く、海外生活を始めて最初に信じることができるのは自分だけです。
自分を信じて、みんな努力をしたり、トライ&エラーを繰り返したりしてサバイバル生活をしています。
そんなにつらいなら、日本帰れば・・・?
といわれるかも知れませんが
それでも、「ここで生活しよう」と思う理由が皆さんあるので、なにくそとがんばるのですね。w
日本で今まで通りの生活をするのとは、また別の苦労やストレスもあります。
私も、悔しくて泣いたり怒り狂ったこともあります。(今でもあるよ)
それでも、日本を出て海外をうろちょろし始めたことには1ミリも後悔してません。
現地語ができるというのは、便利なツールを1つ手に入れるのと同じことだと思っています。
なくてもある程度はなんとかなる、でもあったら生活がかなり潤う、というモノです。
そういう視点から、自分の場合は必要かどうか?を考えると見えてくるんじゃないかなぁと思います。
努力するもしないも、運に任せるも何も、自分の決断次第ですからね。
このブログでは私の語学勉強方法もシェアしています。もしよかったらこちらも参考になれば幸いです。
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